釧路 野地の石仏

大正時代に建立された「釧路 新西国三十三所観音霊場」をご存知ですか?

釧路新西国三十三所観音霊場その2米町界隈

釧路新西国三十三所観音霊場その2

 

米町界隈

 

1 西端寺境内

 「春採湖」では上記第五番は妙本寺境内、第三十一番は釧路漁業無線局前 青峰観音堂に置かれているとありますが、いずれも西端寺に移設されています。妙本寺が愛国に移転したこと、青峰観音堂の観世音も「春採湖」でみると立派なお堂の中にあったようですが、何らかの事情で移設されたものでしょう。

 なお、第五番のご詠歌は、葛井寺(ふじいでら)と書物にはありますが、ここでは藤井寺となっています。

 ウイキペディアによると葛井寺藤井寺、剛琳寺とも称するとあるのでそのまま台座の記載どおりに掲載しました。また、この観世音のお顔が剥がれ落ちており、像の横に置いてあるようです。「道東歴史散策隊(以下「散策隊」)」による資料にも記載されておりますが、このブログで紹介している写真の中にも修復されている像がたくさんあります。

 西端寺には、移設された石仏もあり、同寺の「春採湖」の写真は、番外の三体を含め五体が一列に並んでいますが、現在は二列になって設置されています。

 なお、第三十三番は、西端寺境内にありますが、「春採湖」の記述に沿って最後に記載します。

 

2 定光寺境内 3 大成寺境内 4 法華寺境内

西端寺もそうでしたが、定光寺の境内にも、多くの像が祀られていました。

 

 この写真を撮ったのは、平成28年10月14日、少し見づらいですが、大成寺の境内では、桜の花が咲いていました。

 

5 厳島神社横道路右斜面  6 本行寺境内

  第二十一番は「春採湖」では、厳島神社横道右斜面と記載されていますが、まさにそのとおりで、厳島神社の石による土留めの角の一部をわざわざ引っ込めて、設置場所を作って祀られており、また、覆堂 (小さな社)が設けられています。

 本行寺境内の第二十五番は「春採湖」の記述では座像とありますが、実物は長等身です。函館の湯川寺ホームページのうち「湯川寺三十三観音の生い立ち」というページを見ると、「二十五番清水寺のご本尊は千手観音座像ですが、湯川寺の石仏は千手観音長等身です。」と当たり前のように書いてあるので、作ったときの事情でこうしたこともあるということなのでしょうか。 

 また、同じく本行寺の第三十二番は長等身とありますが座っています。同じく湯川寺の記載を見ますと第三十二番については「ご本尊は最近造られた白檀の千手観音座像です。湯川寺の石仏は千手観音長等身で旧ご本尊と合っております。」となっていますので、ご本尊の方もなんらかの事情で長等身から座像になったということかと思います。

 

7 聞名寺境内

 「春採湖」によると「本堂から離れた鐘撞堂近くの草むらの中に祭られてる。台座は半分が土に埋まって傾き、石仏の舟型光背は割られて草の中に落ちていた。」とあります。現在は、位置は当時と同じようですが、傾きも無く台座は地上に出ています。

  また、舟形光背の一部が草の中に落ちているのも、当時と同様ですが、「春採湖」の写真では、割れてはいるもののきちんと上に乗せられて撮られています。落ちていたものを筆者がわざわざ上に乗せて撮影したのでしょうか。